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昨日のあの匂いが、今俺の目の前を通った。
俺は首をコキコキ鳴らし、腰の間接を鳴らすふりをしながら後ろを横目で確認する。
……………!!!!???
俺は冷静を装って、再び仮眠のポーズ。
『えぇ!? おぇ!?
なんで!?!? なんで彼女が!?
ってかなんで制服!? ってか俺の後ろ!?
キャ~~~~!!』
眼球は行き場を求めて上下左右にさまよい続ける。
心臓はさっきの比にならないくらい仕事熱心だ。
ホント、手首から赤い噴水が出るんじゃないか?ってくらい。
声にならず、俺は悶え続ける。
まるでクモの糸に絡まった虫みたいだ。
いつの間にかコンパスが号令をかけている。
俺はなすがままに、立って、座って、点呼に返事して。
……今はそんなことしてる場合じゃないって!!
学校なんてどうでも良いっつの!!
適当に返事して、次の人が呼ばれる。
……次の…人?
「佐藤愛(さとう・めぐみ)さん」
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