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「は、はいっ!」
真後ろから聞こえる声は、俺の耳から体全体に響いた。
女の子にしては、少し低い声。
多分可愛らしさで言うなら、他のキャピキャピしてるぶりっこの声の方が可愛いんだろう。
でも、俺はこの気取っていない落ち着いた声が一瞬で好きになった。
録音出来るなら即行で録音して、毎晩の子守歌にしてるところだ。
……はぁ、どうやったら仲良くなれるんだ。
電車で酔っ払いにからまれているのを救う?
それとも、遅刻しそうで走る彼女にぶつかって口喧嘩?
……いやいや、そんな小説やアニメみたいな感じにいくわけが……
……タッタッタッタッタ……ガラガラガラ!!
うっとり、まったり、トリップしている俺を、妨害する奴が約一名……
「すいまっせん!! 寝坊しちゃいましたぁ!!」
デジャブ!? 昨日も見たぞ、この光景……
コンパスに一礼をし、レオがドタドタと席に着いた。
かばんを席にかけながら、俺を見るレオ。
「あれ? どったの?? むすっとしちゃってぇ!」
……原因はお前だ。
俺は溜息を返事とし、腕枕に顔をうずめた。
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