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「……なぁ、俺別れちゃった」
「へぇ~……」
俺の突然の告白に驚くこともなく、コータは漫画に目を落としながら答える。
ここは俺、斎藤明の部屋だ。ベッドがあり、ソファーがあり、パソコンがあり、TVがあり…
所謂普通の男の子の部屋。そして、俺らのたまり場。
俺が一人暮らしを始めてから、ここは馬鹿共の憩いの場となっている。
……もちろん「馬鹿」には俺も含まれているんだが。
そして、ソファーに座り素っ気ない返事をかましてくれたのが俺の親友、コータ。
「……なんでか聞かないん?」
普通、親友が突然こういうこと言い出したら聞くだろ?普通…
ソファーに腰掛けているコータは相変わらず漫画を読んだままだ。
「何度目の別れだよ。もういい加減飽きたわ」
軽い溜息をこぼしながら漫画のページをめくっている。
その言葉からは呆れや退屈さが出ている。
「なんだよ、それ! 冷たいなぁ……」
俺はベッドに寝転がり、天井を見上げる。
いつも見慣れている天井。いつもは気にならない天井のしみがやけに気になった。
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