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「え? 陸上生物愛好部とかそんな感じ?」
「……え? なにそれ? 今のギャグ?」
涼し~い視線が俺に突き刺さる。
小馬鹿にするように口を大きく開け、舌を出したが視線は冷たくなる一方だった。
……タッタッタッタッタ……ガラガラガラ!!
聞きなれた足音が俺達の会話を断つ。
もうこの光景は見慣れてしまった。
赤瀬の目の前の扉から入ってくるケイは、絶対と言っていいほど息を切らしてくる。
で、そのまま一番近くの俺らに話しかけてくる。
「…ふぅ、おはよ!!」
「おっは~!」
「おぅ! おはよっ! 今日もケイ様は重役出勤ですか」
呼吸を整えながら、席に着いたケイは少し顔をしかめ、
「そのケイってのやめてよ~」
と、目をつぶりながら懇願するようにつぶやいた。
「ってか、なんでレオのことケイって呼ぶようになったの?」
赤瀬が眉間に少ししわを寄せ、不思議そうに聞いてきた。
「良く聞いてくれた!!
俺、人にあだ名付けるの好きなんだよね。
で、レオに付けようと思って考えてたわけよ!」
赤瀬はふんふんと相槌を打ちながら、俺の話を聞く。
ケイがアクエリアスを一気している横で、俺は話を続けた。
「で、この前アメリカで大規模のハリケーンがあったじゃん?
『黒い台風』とか呼ばれてた奴。
そのハリケーンの名前が『ケイト』で、それから取ったの!」
「黒くて、台風みたいにうるさいから…でしょ?
なんかやだよ~」
額に汗を光らせ、ケイはあごに梅干しを作った。
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