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……タッタッタッタッタ……ガシャン!!
「……遅い!! その遅刻癖はどうにかならんのか!?」
「……お前が言うな。」
B級お笑い芸人のような俺らの視線は、部屋の出口に注がれる。
靴が無造作に散乱し、靴入れの上には埃達が住まっているような玄関。
そこにはガタイの良い、肌の黒い青年が息を切らして立っていた。
「すいまっせん!! 寝坊しちゃいましたぁ!!」
純粋で裏表のなさそうな笑顔は、やたら汗ばんでいる。
「……ケイ。お前、確か高校の初日にも同じこと言ってなかった?」
「そうだっけ? 覚えてないさぁ~」
汗をTシャツの袖で吹き上げながら、特大クッションに抱きつく。
まるでクマがおもちゃのボールを与えられたかのようだ。
「あぁ~~!! 汗付くからやめろよ!!」
「良いじゃん! 減るわけじゃなしぃ!」
そう言って顔をうずめ、洗顔後のようにクッションに顔をこすりつける。
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