魔鏡

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"猿の手"改め"鬼の手"事件が曖昧な解決をしてから三ヶ月が経過した五月の半ば、我が大塚探偵事務所に意外な訪問者が、意外な情報と意外な依頼の双方を携えて来たのは、探偵が冬眠状態に陥った日の午後四時を少し過ぎた頃だった。 「あの男はおらんのか。」 年齢を感じさせぬ鍛え上げられた肉体から発せられた言葉は、それだけでも威圧感を感じさせるに足るものだった。
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