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悟空は昔から薬が嫌いだ。
何より元気に過ごしてきたせいというのがあるだろうがあの独特の苦みがどうしても気に食わないらしい。
「そんな渋い顔するんじゃねぇ。んな顔したところで飯食った後で飲むことは変わらねぇぞ。」
「・・・だって、」
「だってじゃねぇ。」
三蔵の言葉を聞くと悟空はむーっと頬を膨らませた。
ずきずきと痛む頭は変わらないがこうしていると何だかほっとした。
本当は三蔵にぎゅっとしてほしい。
優しいキスも欲しい。
でも悟浄も八戒もいるこの部屋で三蔵がしてくれるとは間違っても思えなかった。
してくれたとしても二人きりの時だろう。
今はせいぜい手を握ってくれるのが三蔵のせい一杯できることなのだ。
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