いつか誰かを愛した時 後編

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「……。」 誰もしゃべらない。 整備されていないがたがたの砂利道をジープが走っていく。 いつもとは違う席に座りながら三蔵は辺りを確認するように睨みつけていた。 隣にはいまだ意識のない悟空がぐったりと寄りかかっている。 身体が熱いままでまだ熱も下がっていない。 今彼らは行くあてもないまま森の中をさまよっていた。 三蔵がこっちへ行くと言ったからなのだが二人もどうしてそう言ったのか理由はわかっていたため何も言わずにしたがった。 ジープで走るには幾分か足場が悪いが走れないわけではない。 誰も一言もしゃべらないままジープのエンジン音だけが響く。
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