たとえどれだけ苦しくても忘れられないくらいに 前編

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悟空はゆっくりと目を覚ました。 辺りはまだ暗く、朝と言うには早すぎる時間だ。 横を見ると三蔵が小さく寝息を立てている。 あのままずっと自分の横に居てくれたらしい。 けど、全てが遅すぎた。 また涙が滲み出てくるのを感じて悟空はふっと上を向いた。 唾を飲み込んで涙が溢れそうになるのを我慢するともう一度だけ三蔵を見てから部屋を出た。 悟空が小さく呟いた言葉は風に掻き消されて三蔵に届く事はなかった。 Next 後編→
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