桜の木の下で

出逢い

｢雅弘でーす。浪人生でーす。よろしくー。｣
ちょっと風変わりな男の子だ。すごく賢くて１つ年上なのだが、すでにいじられキャラになっている。

｢俺の番か。健です。よろしくね。｣
おとなしい自己紹介だ。どうやら健も人見知りするらしい。私と同じ匂いがする。
すごく小柄だというところは私とは似つかない。私は小さめな男の子よりも身長があり、“小柄”という言葉とは無縁だ(笑)

｢よしっ!!じゃあ、俺やな。初めまして。隆史って言います。ちなみに俺も浪人生です。｣
そう言ったのはゆうの隣に座った男の子だった。隆史は東京の某有名大学に落ち、この大学にいるらしい。柔らかな関西弁を話す長身の男の子だ。

それにしても、大学とは不思議なところだ。一瞬にして年上の同級生がふたりもできてしまった。