桜の木の下で

出逢い

飲み会当日。
私は相変わらず憂鬱な気分でいた。けれど、どこかで新しい出逢いにわくわくする部分もあった。
どんな人が来るのだろう。そんなことを考えながら、ばれない程度におしゃれをしてきた自分にちょっと恥ずかしい気持ちもある。

ゆうと待ち合わせて、予約してあるお店へと向かう。今日のゆうはいつにも増して、大人っぽい装いでメイクにも気合いが感じられる。期待に胸を弾ませるゆうはちょっとかわいい。

先に着いた私たちは、案内された席で待つ。
席の数から見ると、あと４人来るようだ。

何とも言えない緊張感に包まれる私。そんな様子に気づいたゆうがクスクスと笑っている。
…ちくしょー!!
心の中で呟いた。

足音と話し声が聞こえ、ゆうの知り合いたちが入ってきた。