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「で?チョコ渡す為にこのダンボールか?」
「ううん。あのね・・峻君と一緒になるために来た。」
小さな声で、振り絞るようにそう言った。
「えっ?僕の事避けてたんじゃないの?メールも電話も最近あまりくれなかったし・・・。」
首を大きくふる彼女。
「違うの・・あたしね・・二足のわらじは履けない性格でしょ。不器用だし。だから、峻くんにプロポーズされた時にすごく悩んだ。それに私の母はすごい苦労したの知ってるでしょ?でも、峻くんと父は違う。だから迷いに迷った。でもね、聡美は峻くんと生きて行きたいと思った。だから、仕事辞める為に引き継ぎだの嫌味だのに耐えながら毎日必死で頑張ってたの。やっとの思いで先週仕事辞めたの。どうしてもバレンタインには間に合わせたかったから…二人の記念日だから。」
一息にそう言うと潤んだ目で僕をみつめた。
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