返品ご遠慮ねがいます

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彼女はコクリとうなづくと、エプロンからごそごそと何かを取り出した。 「それではこちらに受け取りのサインと捺印をお願いします。」 彼女が取り出したのは婚姻届だった。 「返品はご遠慮願います。」 涙顔の彼女がいたずらっぽく微笑む。 当たり前だ。こんな素敵なプレゼントを返品する奴がどこに居る。 僕はもう一度彼女を強く抱きしめると、「いつまでも一緒にいような。」と誓いの言葉を述べた。
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