70人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ
暑さの根源となる太陽も顔を覗かせたばかりの、小鳥のさえずりが聞こえて来そうな程清々しい朝。
タオルケットを申し訳程度にお腹にかけているハルキは、まだ夢の中でまどろんでいた。
起床を促すかのようにカーテンの隙間からもれる日差しを、無意識に手でさえぎる。
「……チョコレートパフェ…………」
そしてごにょごにょと寝言を呟くと、嬉しそうに顔を綻ばした。
「うー、うー……バキュームせいじ……ん」
しかし、次の瞬間には一転して険しい表情をみせる。
「やめろ……やめ、ろ…………それは俺のパフェだぁぁぁ!」
息を荒げ布団から勢いよく上半身を起こしたハルキは、悲しみからか顔をひしゃげている。
――と、そこに聞き覚えのある騒音がハルキの耳についた。
最初のコメントを投稿しよう!