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先ほどの夢に合点がいったハルキは、騒音を出している人物を睨み付ける。
「和輝! 何でこんな朝っぱらから掃除機かけてんだよ! お前のせいで俺のパフェが……俺のパフェが奪われちまったじゃねぇか!!」
「バキューム星人にね。ふふ。バキューム星人って一体どんなやつだったの?」
手元のスイッチを押し掃除機の騒音を止めた和輝は、ハルキの寝言を聞いていたのか、からかうように笑った。
「口だけのでっかい化け物だったよ。分厚い唇にとげとげした太い牙がいっぱいあってよ――ってだから! バキューム星人が出てきたのはお前のせいだろうが!」
「はいはい。ハルキにとって都合が悪い事は全部僕のせいなんだよね。でも、掃除機くらいいいじゃないか」
和輝はハルキの怒声を肩を少し上げながらいなすと、何食わぬ顔で掃除機の片付けに取りかかる。
軽くあしらわれたハルキは、苛ただし気に頭をわしゃわしゃとかきむしっていた。
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