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「ねぇ」
「ん、なに?」
「『ヨゲンデンワ』って知ってる?」
瑠香と里美は同時に、そんな言葉聞いたことないと思った。
「なにそれ」
瑠香は渚に聞いた。
「あのね、まずは自分の携帯で自分の携帯番号に電話をかけるの。そうしてしばらく呼び出し音がなるんだけど、突然通話状態になるから、そのときに『自分はよげんしゃになる』みたいな予言をするの。そうすれば選ばれた人だけじぶんの予言が当たっちゃうの。」
誰もが嘘だと思うような話だ。予言ブームで人間の感覚がおかしくなったのだと瑠香は思った。でも変にリアルな話で、完全に嘘だとは思えない話でもあった。
「じゃあ確かめてみない?」
渚はいきなり言い出すのだ。瑠香はやはり止めた。そんなことほんとに予言通りになってしまったら…。
しかし、渚は誰の声も聞こえないような様子で、ポケットからケータイを取り出し、自分の電話番号を入力し、通話ボタンを押した。
「あたしを予言者にしてよ」
そう言った瞬間、渚の首に変な紋章のようなものが浮かび上がった。これは予言者のしるしなのか?
「これでわたしは予言者かな?」
笑みを浮かべて渚は言う。しかし、渚があのことばを口に出した瞬間、瑠香は何も言えなくなった。
「里美は10秒後に死ぬよ」
美里に突然と訪れた死のカウントダウン。
「だぁって、里美あたしの好きな人と付き合ってるんだもん!邪魔者は消えたほうがいいとおもって!」
渚は完璧にいかれてる。もう予言は渚という予言者によって告げられた。
「キャーッ!まだ死にたくない!まだ死にたくないよ!」
絶望的だ。まさか自分の死が10秒後になるなんてだれも考えられなかった。里美はもがいている。しかし、里美の動きが止まった。その瞬間、里美の全身の骨がバキバキと変形する。人間の構造ではありえないような形に。そのまま里美は死んでしまった…。
教室中が怯えた。このときから、全国ではたくさんの予言者が誕生した。予言ゲームはハジマッタノダ。
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