幕開けは手を叩いて

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いじめ。 どこにでも、程度の差はあるけれどあるもの。 千切られて原型を失った消しゴムを見て、僕は顔を曇らせる。 誰かが忍び笑いを漏らすのが聞こえた。 ある意味で、僕とその他の彼等とは利害関係が一致している。 彼等は学校という集団生活の中で発生する決して少なくないストレスを僕で発散し、僕は標的として孤立する。 嫌がらせに傷付いた振りをすれば彼等は満足して、僕は一人でいられるから。 このまま、静かに続けばいいと思う。
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