恋風船

文化祭前

同じクラスの理絵ちゃんも、光太くんの事を好きだって事は、私のクラスでは周知の事実だったから。

私は光太くんの事が好きだったけど、理絵ちゃんと争いたくなかった。

ずっと……親友にもひたかくしにしていた私の想いは、なぜか……その親友の言葉で、私を苦しめ始めている。

まさか……真樹ちゃんもだなんて……。

「うん。そうなんだよね」

真樹ちゃんは憂鬱そうに、少し寂しそうに答えた。

そして真樹ちゃんは顔だけを動かして、同じ教室の真ん中にいる女の子のグループを見た。