恋風船

文化祭前

「うちのウエストがそんなに可笑しいか？　太ってた？」

クスクス笑う私に、真樹ちゃんはさらに聞いてくる。

「しゃべっちゃダメだよ。計れないよ。それに、真樹ちゃん、全然太ってないよ。大丈夫」

私はまた、真樹ちゃんのウエストにメジャーを回し、計り直した。

「真樹って、ホント、何食べても変わらないね。羨ましい」

同じ衣裳係で、私が真樹ちゃんを採寸しているのを、椅子に座って見ていた、薫ちゃんが言った。
薫ちゃんはちょっとだけぽっちゃりしてるから、本当に羨ましそうだった。