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と、まあ音川との初会話があったにしろ、だからといっていきなり喋り出すわけでもない。
俺はまた授業中、渡部の視線を観察するまでだ。
(また見てるし…)
ここまで観察し続けると、もう後には戻れなくなる。
俺は昨日に続き、今日も渡部(の視線)を見ていた。
すると―
パコッ!
「痛っ…」
何故か頭に衝撃が。
「痛っ…じゃねーよ。授業もまともに聞けねーってか?」
見上げた先には、英語教師が立っていた。
(ヤバ…今授業中だっけ)
「あ…いえ、すみません」
「ったく、あんまり女子ばかり見てねーで、ちったあ俺の話も聞けよ?」
先生は、冗談ぽく笑った。
「…見てませんって」
渡部を見てたのがバレたのだろうか。
俺は静かに、呟いた。
「…?」
ふと視線を感じて目線を上げると、
「……」
音川が、こっちを向いて笑っていた…気がした。
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