決めた別れ

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卒業式の退場のとき、皆で鳴らそうって女子で配って、結局鳴らしそびれたクラッカー。 だから、タケルと同時卒業おめでとうって鳴らそうと思ったクラッカー。 もう、鳴らす相手は誰もいない。 当て付けで幼なじみの耳元で……と考えて辞めた。 ひとり、空に向かってクラッカーを鳴らす。 パァン。 …… 乾いた音と、桜と共に散る紙吹雪に虚しさと涙はとまらなかった。
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