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教師
「春原(すのはら)」
教師が、あるひとりの生徒を口にした。
教師
「相変わらずいないのか」
隣を見る。そこが春原の席だった。
こいつの遅刻率は俺より高い。ふたり合わせてクラスの不良生徒として名指されることが多かった。
だからだろう、よく気が合う。
そしてクラスの中で唯一俺が心を許して話すことのできる人間だった。
授業が始まる。
俺は窓の外を見て過ごした。
教師の声は、すべて聞き流して。
半日の授業を終え、昼休みになった。
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