迎え

2/10
27人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
「はるちゃーん?文ちゃん達は無事なの?」 お孝さんの声。 どうやら騒ぎは収まったようだ。 「はーい!」 遥さんは急いで玄関へ走っていった。 一人になった私は、布団に横たわる沖田さんを見た。 呼吸は、落ち着いている。 そろそろ、歩いてあちらの家に戻れるだろうか。 しかし、無理は禁物だ。 そんなことを考えているうちに、お孝さんと遥さんがやって来た。 「文ちゃん。もう大丈夫よ。沖田さんは・・・どうしよう・・・」 皆、困ってしまった。 ここにいるのは、女ばかり。 一人の男性を運んでいけるだろうか。 そんな問題があった。 無理なことではないと思った。 二人で頭の方と足の方を持てば、出来ないことはない。 運ぼうと立ち上がった瞬間、玄関から男性の声がした。 「すみません。こちらは、柴田遥さんのお宅でしょうか」 .
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!