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「はるちゃーん?文ちゃん達は無事なの?」
お孝さんの声。
どうやら騒ぎは収まったようだ。
「はーい!」
遥さんは急いで玄関へ走っていった。
一人になった私は、布団に横たわる沖田さんを見た。
呼吸は、落ち着いている。
そろそろ、歩いてあちらの家に戻れるだろうか。
しかし、無理は禁物だ。
そんなことを考えているうちに、お孝さんと遥さんがやって来た。
「文ちゃん。もう大丈夫よ。沖田さんは・・・どうしよう・・・」
皆、困ってしまった。
ここにいるのは、女ばかり。
一人の男性を運んでいけるだろうか。
そんな問題があった。
無理なことではないと思った。
二人で頭の方と足の方を持てば、出来ないことはない。
運ぼうと立ち上がった瞬間、玄関から男性の声がした。
「すみません。こちらは、柴田遥さんのお宅でしょうか」
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