迎え

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「準備出来たか」 土方さんが尋ねる。 「はい」 私は笑顔で答えた。 「文・・・。気をつけてね」 遥が言う。 彼女とは、しばらくの間、お別れだ。 今日会ったばかりなのに、全くそんな気がしない。 「大丈夫。土方さんがいるから。また遊びに来るから、待っててね」 私が言うと、遥が笑顔で頷いた。 「行くか」 「はい」 私は荷物を取った。 「ばいばい」 私が手を振った。 「ばいばい」 遥が手を振り返した。 あっさりと、私達は別れを告げた。 「あっさりだったな」 土方さんは言った。 「長々としていても意味が無いですし、沖田さんも私がいないと心配でしょうから」 私が言うと土方さんは、大人になったなと言って私の頭を撫でた。 .
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