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「総司はもう着いているはずだ。俺達も急ぐぞ。少し走るがいいか?」
私は黙って頷いた。
何度も振り返って、土方さんが速度を加減してくれたので、私はそこに着くまでにそれほど疲れずに済んだ。
「文。疲れてないか?」
土方さんが私を気遣ってくれた。
「大丈夫ですよ。ありがとうございます」
私は笑顔で言い、近くにいた隊士の人に沖田さんの部屋の場所を尋ねた。
その人は親切に、その部屋の前まで案内してくれた。
「失礼します・・・」
ゆっくりと戸を開けると、沖田さんは布団の中で上半身を起こしていた。
「文さん・・・。私のこと、隣の家まで連れていってくれたんですね。ありがとうございます」
入ってすぐに、沖田さんはそんなことを言った。
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