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「そんな・・・。私は看護役として、当然のことをしたまでです」
私は言った。
それでも、沖田さんから感謝されて、悪い気はしなかった。
「疲れたでしょう?今日は私のことは気にせず、ゆっくり休んでください」
「え・・・?」
沖田さんの言ったことの意味が分からなかった。
私は沖田さんの看病をするためにここにいる。
それが無ければ、私に存在意義はない。
「もう用なしってことですか・・・?」
泣き出しそうな声になるのが分かった。
「違いますよ」
そんな私に、沖田さんは優しく話しかけてくれた。
「土方さんが、今日は私と二人きりでゆっくり話したいと言っているんですよ」
そうなんだ・・・と、声に出してしまっていた。
「そうですよ。だから、泣かないでください」
そうは言われたが、沖田さんの優しい言葉に、私はぽろぽろと涙を流した。
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