27人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
私は次の日の早朝から、沖田さんの部屋の隣の部屋を寝食の場とし、彼の看病を始めた。
義父に申し訳ない気持ちはあったが、事情を説明すると快く承諾してくれた。
「失礼します・・・」
眠ると中々起きない人だと、莉緒ちゃんが言っていたので、まだ起きていないだろうと小声で呼びかけた。
「おはようございます。文さん」
彼はもう起きていた。
「おはようございます。起きていたんですね」
「はい。最近はあまり眠れなくて・・・」
それは、病のせいだと気付き、胸が痛くなった。
「お食事の準備出来てますけど、もう召し上がりますか?」
料理は、家で作ってきたが、冷めても食べられるように工夫しておいた。
「いえ、まだいいです。それより、お願いがあるんですが・・・」
申し訳ないような表情で言う沖田さん。
「何でしょうか」
「昨晩厠に行けなくて、着物や布団を汚してしまったので、取り替えるのを手伝ってもらえないでしょうか」
.
最初のコメントを投稿しよう!