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四時間目の終業ベルが
鳴り終わる頃、
いつもの様に
ナオは目を覚ましていた。
ベルの音ではなく、
空腹の腹の音で。
もうこんな時間か
と言いたげに、
使い古しの
大人びた腕時計に目をやると、
一人呟く。
「3、2、1…」
屋上へと続く
非常口の扉が勢いよく開き、
カウントダウンの
0を示す沈黙は、快く破られた。
現れたのは、
ナオのクラスメートであり、
幼なじみのルイだった。
その手には
色違いの弁当箱を
二つぶら下げている。
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