1人が本棚に入れています
本棚に追加
限り無い青。
バカに澄み切った空に、
溜め息が広がる。
それ程
日差しは強くなかったが、
季節の変わり目を嫌う
十六歳の少年にとって、
時折通り過ぎる
雲間から覗く浅い光は、
十分過ぎる程
彼の瞼を押し付けた。
ナオは、
部室からくすねた
枕代わりのサッカーボールを、
少しひんやりとして
居心地の良さそうな
貯水タンクの影に置くと、
薄汚れた
コンクリートのベッドに、
身体を預け寝転んだ。
この時間、
屋上はいつも一人だった。
最初のコメントを投稿しよう!