“戦士”

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雲が消えた。 孤独なる戦士の休息。 それは、 ただの思い込みかもしれない。 だが、そう思う事が ナオにとって、 世界を構築する アイデンティティーの 全てだった。 ほんの数秒、 時が止まった様な気がした。 自然に身を任せると、 風に促される様に そっと瞼を閉じる。 途端に意識から、 校庭の歓声や 木々のざわめき、 町の雑踏が消えていく。 それはまるで 存在というスイッチを切り、 この世のどこからも 消えてしまいたいと願う、 自殺志願者の 最期の勇気の様に…。  
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