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「なぁ!!」
先程と同じ声。まだ反応返して貰えないのか?可哀相に。
「お~いっっ!!」
その声は、男なのだろう。低く、辺りに通る。
「雨宮空さ~ん!!」
は?私の名前今よんだ?
…………まさかね。こんな、無愛想な私に話しかけて来るチャレンジャーきっといない。私だって、客観的に見たら、関わりたくないから。うん。きっと違う。「雨宮空っっっっ!!!!」
教室内に響く大絶叫。なんて大きい声なんだ。少々苛つきながらも、こんな風に呼ばれたら、無視する訳にもいかない。
「何か?」
重たい気持ちに比例した、重たい頭を上げる。
後ろを、振り向けば、背が高い、男が眉間に皺を寄せていた。
「さっきから、何回も呼んでんだけど。」
「寝てました?」
「知るかっ!俺に聞くなよ。」
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