―絶望の小説家―

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「シュンジさん。 ごめんなさい。 シュンジさんが書いてくれた小説読めそうにないです。 私もう長くないみたいです。 約束してくれたのに 本当にごめんなさい。 読みたかったな。 私のために書いてくれた小説 私の本‥。 シュンジさんが会いにきてくれた時本当に嬉しかったです。 ありがとうございました。 シュンジさんへのファンレターはこれが最後になりそうです。 私はもう手紙を送ることはできませんが これからも頑張ってください。 約束を破ってしまった私がいうことではありませんが 小説をずっと書き続けてくださいね。 約束ですよ。」 と涙の後がついた手紙に震えた文字で書いてあった。 僕はその場にしゃがみこみ泣いた。 書くのがもう少し早ければ もっと早くに会ってあげればとずっと悔やんだ。 それから僕は琴乃との約束を守るために今も小説を書き続けている。 でも‥ 全てだめなやつばかり。 まともなのが書けない。 あの作品を超えるものなど‥ かけるわけもない。 どうしても‥ 希望がもてないんだ。
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