6人が本棚に入れています
本棚に追加
声には若干の震えが残っていたが、その紫の瞳には確かに前に踏み出そうとする意志を感じた。
それを感じとったフレイは、その願いにも似た意思を“叶えてあげたい”と不意に思った。
「よし。では今日から私がグレイの友達だ」
何故?と他人に聞かれれば答えは曖昧なものになるだろうと、頭で理解にも似た感情の芽生えに微笑みを浮かべ
「よろしくな。グレイ・フォレスト」
そう投げかけると、目の前にいるグレイも
「よっ!よろしくお願いします!!」
と頭を下げた。
そして、フレイは直ぐに準備をするように伝えると、グレイは一着のローブを取り出しこれだけだと伝える。
フレイも準備が整ったのか家の外に出て、並んで歩き出した。
こうして、森で暮らしていた少年(グレイ)は希望と不安を胸に抱きながら、新たな人生を歩む事となった。
最初のコメントを投稿しよう!