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結局体育館に着いたのは1分前。
急いでいた俺とは対照的にゆったりとしていた悠斗は、間に合ったでしょ、と笑顔で言ったが、ぎりぎりだ。
「ほら、試合始まるよ」
不貞腐れる俺を宥めるように言う悠斗。それと同時に、高い笛の音が響き渡る。
何事か分からずに一瞬停止していた俺の隣を、ボールがすり抜けた。
……あ、試合開始だ。
皆より一歩遅れて、俺は試合に参加する。
先ほど俺が取り損ねたボールは、いつのまにか相手側が持っていた。
これは……やってしまった。
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