第一章

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  雲ひとつない、梅雨にしては珍しい爽やかな朝。 昨夜の雨で出来た水溜まりには、風に揺れる若葉が写っている。 そんな中、俺は校門の前で立っていた。辺りに他の生徒は居らず、居るのはスキンヘッドの怖そうなヤクザ……ではなく先生だけ。 「お前……分かってるよな?」 「はい……」 見下されながら聞く苛立った声に、俺は頷くしかなかった。 「じゃあ着いてこい」 ヤクザ先生は校舎へと向かい、俺も着いていく。今日こそは遅刻しないつもりだったのに……
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