ラーメンと迷子

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チャララ~ララ チャラララララ~ チャルメラの音が聞こえた。 今どき珍し過ぎるが、今の徹にはこのチャルメラがファンファーレに聞こえた。 音と匂いのする方を見れば案の定、屋台があった。 財布の中身を確認する。 中には721円入っていた。 一杯くらいなら食える。そう考えた徹は光に集まる虫のようにフラフラと屋台へ向かっていった。 「へいらっしゃい!」 屋台のオッチャンはグラサンを付けたいかつい人だった。 とりあえず座るとオッチャンは何も言わずにラーメンを茹で始めた。 どうやらメニューはないようだ。
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