ラーメンと迷子

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少女は割り箸を握った。 割らずにそのまま。 そしてラーメンに突っ込んだ。 まるで仏壇に供えるよう真っ直ぐに。 当然ラーメンはすくえない。 心なしか無表情な少女の顔が悲しそうに見えた。 「あ~……お嬢さん。 これはこうやって使うのだよ?」 徹は割り箸を割って麺をすくって見せる。 すると少女は口を開けて パクッ 「うぉわっ!?」 徹は驚いた。 少女は徹がすくった麺にそのまま食いついた。 少女は麺を飲み込むと、美味しかったのか少し嬉しそうに見えた。 オッチャンも少女が食べるのを見届け、仕事に戻った。
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