喧嘩と男

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伏見 徹は家に帰る途中だった。 帰り道でたまたま入りたくなったゲームセンターで、破竹の55連勝を成し遂げた帰りである。 真っ直ぐ帰るのであれば10分もすれば家に着くのだが、今日は少しばかり用事が出来た。 徹は路地裏にいた。 そこは店もなく空き地になっていた。 今その空き地には徹を含めて20人ほどの人がいる。 「アンタら俺になんか用かい?」 ふざけた調子で徹は誰にでもなく尋ねる。 その質問に応えてくれる輩はいない。 何故自分がこんなところに連れ込まれたか、徹にはわかっていた。
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