喧嘩と男

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「ちょっとゲームで負けたからってよ、そんなぞろぞろと……面倒くせぇなぁおい」 昨今の若者はこんなことで、と徹はため息をつく。 しかしこの若者達にとっては、自分達の縄張りをよそ者に荒らされたわけで、ただで帰しては彼らのメンツに関わってくる。 それは若者達にとって徹に喧嘩を売る十分な理由なのである。 「はぁ……喧嘩する前にお前らに言いたいことがありま~す」 徹はやる気なさ気に若者達へと喋りだした。 「やるなら能力使わないでほしいで~す。 あと出来れば手加減とかしてほしいで~す」 気の抜けた徹の言葉を受け、若者達の怒りが爆発した。 一人の男の拳打が徹の顔面を捉らえる。 そこで殴った男の意識は途切れた。
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