第三章

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ゴボウ(田村)がこんな時にいないから、俺は一人でこの恐怖に立ち向かわなければならない…… 「くっそ、あのポッキーめぇ」 あいつだけ逃げたような感じ、俺は置いてかれたような感じ。 「田村…あほ田村…」 寂しいやん、悲しいやん。俺は、今一人。 これからもきっと。 一人で逃げて捕まるんやろな… 「川島さんっ」 呼ばれた方を見るとグループの三人がいた。 「僕達三人じゃないですか?二手に別れて行動しませんか?」 いつもよりずっと確りした声でつるのくんが問いかけてきた。 「あ…?え?」 「三人だと危ないじゃないですか、二人の方が逃げやすいですし。この二人頼りないんで、ノクと俺がいくんでこいつお願いしていいですか?」 怯え気味の上地くんが出てきて。 「お願いします」 といった。 「もちろん」 少しあったかくなった。 もうやけくそや。 これクリアして…田村に冠番組お土産に帰ったる。 そうして暗くてギシギシなる廊下を歩き始めた。  
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