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目が覚めるとバスの中ではなく
「……学校…?」
まだ意識がハッキリしない中で聞き取った声は山本くんだった。
「あ、藤森くん…」
「山本くん…ここなに…」
呆然と周りを見回す。
どこをどうみても学校だったが、詳しく表現するなら旧校舎。
木で作られており、立ち上がろうとした時床が軋む音がする。
気付くと手首に白いブレスレットのような機械が付いていた。
「僕もさっぱり…」
「ちょ、話してる場合じゃないっ!!みなさん起きて下さい!」
大声で叫べば、数名がチラホラと目を覚まし、俺と山本くんが言ったような事を各自好き勝手に発する。
福田さんを除いて
「おいっ!徳井!起きろや!!」
「あ゛ぁ~…もうちょい~」
薄目を開けたがすぐまた夢の世界にいこうとした。
「っ寝惚けんな!!状況みろや!」
ツッコミよりきつくどついている。
徳井さんの悲痛な声が聞こえた時、ドアの開く音がした。
学校特有のガラガラッというアレだ。
「なっなにっ!?」
眠気眼だった上地くんが叫んだ。
運転手と同じマスクを被り、軍服を来た男だと思われる奴らが三人入ってきた。
一人はパソコンを持ち二人は小さいスピーカーのようなものをもっていた。
「起きてない方を起こして下さい」
多分一番右のやつが喋ったのだろう。機械音に紛れていたので分かりにくかったが。
全員がゆっくりと起き出すと、徳井さんが噛み付く勢いで叫んだ。
「なんなんや!おまえらっ」
「叫べばその手首がぶっ飛びますから、静かにして下さい」
ゴソゴソとしていた空気が一瞬で凍った。
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