第二章

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徳井が切れるなんて珍しい・・・ それほど恐怖を感じている、ということなのだろう。 「これを見てください」 そうして、淡々と説明していく途中、中田が口を開くとナイフがとんだ。 肩から血が流れている。 「あっちゃん!」 藤森が駆け寄ろうとしたが 「今は聞きなさい、あとで治療します」 まるで学校の先生のように注意をする。 藤森は悲しそうに、怒り狂った顔でにらんだ。 「あいつら・・・まじもんや・・・」 そうつぶやけば、井上さんが話しかけてきた。 「福ちゃん・・・徳井をしっかり制御しときいよ?本当にこれ・・・爆発するで?」 ゾクッ 天然でぼさっとしている井上さんが、顔面蒼白でそういったので、背筋に冷たいものを感じた。 「これはジャンプOO中の延長だと思ってください。 ルール説明はこの【逃亡】中の主催者にしていただきましょう」 主催者。 OO中の延長。 逃走中ではなく逃亡中。 逃げて、隠れる。 一文字変わっただけで、こんなにも重みが変わる。 「では、画面に注目してください」 パソコンの画面が変わり、こちらをなめているかのような絵が出てきた。   
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