時間遠征

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「総員に告げる。我が第一艦隊は、本日ひとまるまるまるじに、2040年に向けて遠征をする。これは、その時代の某国が時間を不正に歪め、時間操作を目的としたタイムスリップを確認したためである。かなり悪質であるため、殲滅しその時代の首脳陣との時間協定をするのが任務である。」と艦内放送が流れた。 艦長は、大将レベルが着任する慣例となっていた。そこに士官学校主席の軍歴五年あまりの大尉レベルがそれぞれに補佐官として配属されていた。一部隊は、総旗艦と各編成部隊旗艦を軸に成り立っている。総旗艦には、10の戦闘艦と1の空母からなり、30の編成部隊と各々20の戦闘艦と2の空母で一部隊としてできている。この時空監視部隊の総旗艦はパンドラ、総指揮官として榎本上級大将が就いている。この部隊の任務は、時間をむやみに、私事に歪めることを防止、あるいはそのもの達を軍事的に抑制することを目的としている。 「沖田大尉、全部隊トラベリング準備。」と榎本艦長がめんどくさそうに言う。榎本は、いやこの部隊そのものがこの宇宙艦隊のお荷物部隊であった。この部隊に配属されるものは、確かに優秀であるが、集団活動にはなじめないのが大半であり、出世は絶望されたものである。しかし、この榎本の指揮下においては一糸乱れぬ統率で機動する。 榎本上級大将36歳、沖田大尉24歳率いる艦隊が、絶滅なコンビ、そしてユニークな個性豊かな部下達がいるからである。 「艦長、しっかり命令してください毎回。士気にかかわります。」と怪訝そうに笑顔でいう。 「トラベリング開始」と艦長が言った。
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