† Moon †

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ

† Moon †

いつも陽の中には あなたと別の人が 笑い合っていた。 私は月が昇り始める 薄明かりの中でしか 一緒に居られなかった。 今は遠く離れて 陽が落ち始めても 夕闇になっても あなたは居ない。 いくら寂しい気持ちで 泣いても喚いても あなたは 来てくれない。 簡単には あなたの街にも 行けない。 ましては今は あなたは知らない人のモノ この距離も気持ちも どうにもならない。 二人で見上げた 綺麗な月は 今も私達を見てる。 未だに鳴り響く あなたカラの着信 どういうつもりですか? 未だに『好き』だと 囁かれるのは どういう意味ですか? 嬉しいと素直に 喜べたあの頃は 遠い昔で… 着信する度 シズクが落ち… 期待しちゃイケナイと 心に鍵をかけ… 両肩を抱き丸くなる。 大好きだよ。 まだ愛しい気持ちが溢れるよ。 でもね…逢ってしまえば この気持ちは 止まらず走り続ける。 誰かの横で微笑む事を 許せなくなる。 私はあなたの何ですか? どういう存在ですか? 月の光は優しくて きっとあなたの気持ちを 知ってるよ。 教えて欲しい。 あなたの気持ちを。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!