第三話 溝

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目が覚めたら自分の部屋にいた。 瞬間よみがえる忌々しい記憶。 (俺…志信に抱かれたんだ……) 頭に浮かんだ光景を掻き消した。俺の中には精液が残っている様子はなく、体もさっぱりしていた。 きっと志信が後始末しといてくれたんだろう。 まぁ、当たり前と言えば当たり前か…。無理矢理ヤられたわけだし… 俺は起き上がろうと腹に力を入れたが、途端に激痛が走り、ベッドに倒れた。 「…腰が痛い……」 腰を撫でながら静かに呟くが、誰もいない自分の部屋からは返事はなかった。 「夢じゃ…ないんだ……」 夢ならどんなにいいだろう?志信に…、幼なじみの…それも男に抱かれるなんて……、これほどの屈辱を受けなければならないほど、俺は志信に何かしただろうか?
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