第一話 喧嘩

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俺と志信は、生まれたときからずっと一緒だった。いわゆる幼なじみだ。 小さいときは、何かあれば二人でいて、遊ぶ相手は志信ばかりだった。 まるで井戸の中の蛙のように、俺は志信以外の友達と遊ぶ、外の世界を知らなかった。 そんな俺たちでも喧嘩はする。 理由は、志信の飲酒・喫煙。やめろって言っても、一向にやめない志信に、俺は愛想が尽きた。 いい加減志信から離れたかったため、その喧嘩をきっかけに、志信と話すことを一切やめた。 これが12歳、小学校卒業5ヶ月前の話。 月日が経って、志信が学校に来なくなった。 俺は先生に質問責めの毎日。 「山城くん、白石くんはどうしたの?」 「周くん、志信くんは?」 こんなことばかり聞かれた。 どうして志信に直接聞きに行かないんだろう? どうして俺にそんなこと聞くんだ? 小さいときの俺には、不思議で仕方なかった。
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