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俺と志信は、生まれたときからずっと一緒だった。いわゆる幼なじみだ。
小さいときは、何かあれば二人でいて、遊ぶ相手は志信ばかりだった。
まるで井戸の中の蛙のように、俺は志信以外の友達と遊ぶ、外の世界を知らなかった。
そんな俺たちでも喧嘩はする。
理由は、志信の飲酒・喫煙。やめろって言っても、一向にやめない志信に、俺は愛想が尽きた。
いい加減志信から離れたかったため、その喧嘩をきっかけに、志信と話すことを一切やめた。
これが12歳、小学校卒業5ヶ月前の話。
月日が経って、志信が学校に来なくなった。
俺は先生に質問責めの毎日。
「山城くん、白石くんはどうしたの?」
「周くん、志信くんは?」
こんなことばかり聞かれた。
どうして志信に直接聞きに行かないんだろう?
どうして俺にそんなこと聞くんだ?
小さいときの俺には、不思議で仕方なかった。
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