第一話 喧嘩

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急に気恥ずかしくなって、俺はよろよろと立ち上がり、志信を一発殴って部屋を飛び出した。 「ってぇ……」 志信の呟きは俺には届かなかった。 ―周の家― 俺はおぼつかない足で必死に走って、家に着くなり自分の部屋に閉じこもった。 頭に浮かぶのは、アイツのキスの感覚… 消しても消しても浮かんでくる。 そして、行き着く先は 「なんで……?」 疑問だった。 俺は男だ。間違っても女みたいな扱いを受ける容姿はしていない。まぁ、髪は短くはないが… 小学生の俺には、志信の…、アイツの考えがわからなかった。
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