遠い日の唄

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「今日は何して遊ぶ?」 「…なんでもいいよ?」 「じゃあ、おままごとしようよ!」 これが日常。 周りに流されて生活をする事が、その頃のあたしの生活だった。 早生まれで体も小さく、 周りの友達から見ても“妹”のように見えていたらしく あたしにとっては都合のよい環境だった。 「先生さよーならぁーっ!」 「さよーならー!」 うちの幼稚園は、帰りのお迎えは近くのJAだった そのため、その方向の子ども達は一列に並び先生に連れられて、その場所まで歩く あたしの母さんは、わりと遅く迎えに来る人だった。 妹も生まれ、何かと忙しい母さんを見て“寂しい”とも言えず ただただ、母さんが迎えに来る方向をジッと見て待っていた。
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