1話

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            俺の幼い時の記憶。           (うわーん。)     泣きじゃくる妹。   親父もいた。 物凄く怒鳴ってるような顔だ。   耳なりの様な… 何か、耳の横で滝が流れてる様な雑音。   何も聞こえないんだ。   ただ、妹の泣きじゃくる声だけが聞こえてた。     妹の横には赤い塊。             金田家で唯一、買ってた犬だった。   白いフワフワの毛。   妹が一番可愛いがってたんだ。     赤く染まっている。       (ハハハ)         ?     誰かの笑い声。     誰だ?               妹「助けて…」       ………はっ     妹の声で我にかえる。   俺「ど、どうしたんだ?」     何で妹にこんなに謙虚なんだよ!   なんて思ったが、今は事情を聞くのが優先だろう。     妹「私、付き合ってた彼氏に騙されて…」   俺「で、どうしたんだ?」   妹「彼氏が作った借金の保証人になって…」   俺「逃げられたのか!?」       ………うん。   無言でうなずく。     闇金からの取り立てに脅えるあまり、風俗に走ってしまったらしい。         こんな事…   親父だけで充分だ!
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