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―学校―
どうやら遅刻ギリギリのところで間に合ったようだ。
「危ねー…
ギリギリセーフ」
机に寄りかかりグッタリしつつも、ふと昨日まで戒の席だった窓際の一番後ろ、護の真後ろの席に目をやった。
が、しかしそこには戒に関する全てが消えていた…
「あれ?無い…」
あいつが書いた落書きも消されている…本来なら有り得ないはずだが彫刻されたものまでもが消えている。
だが、これは間違いなく戒の机だ…
護の書いたものだけは残っていたのだ。
「どうした護?」
護はその声で我に返った。その声は護の右側(護が後ろを振り返っているので今は左だが)から聞こえてきた。
「あぁ俊也(しゅんや)か」
隣の席で頬杖をついて不思議そうな眼差しを送っているのは小学校時代からの腐れ縁……
柿本 俊也(かきもと しゅんや)だ。
「んで、どした?」
「ここって戒の席だよな?」
それを聞いた俊也が笑いながら護の背中を叩いた。
「まだ寝ぼけてんのか?そこは前からずっと誰も座ってねえよ。
そもそも戒って誰よ?そんなやつこの学校にいたっけか?」
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